▼なぜ私たちが行動を起こすべきなのか
宮坂一輝「あの時『殺すな』と言えなかった全ての私たちへ」
--- 「いくら希望がないからといって、絶望しかないからといって、「政治家しっかりしろ」「戦争しないでくれ」「殺すな」と強く思い、声を上げ、希望することまで諦めてしまったら、私たちの行き着く先は絶望ではなく地獄である」
▼ハマスの行いはパレスチナに連帯しない理由ではなく、むしろ連帯すべき理由であるということ
キム・ジョン・ヒウォン「[寄稿]パレスチナを支持できないというあなたへ」
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/48212.html
---「ハマスの民間人虐殺は正当ではない。そして、新しいハマスの出現を阻止する唯一の道は、まさにパレスチナの解放である。私たちは、一刻の猶予もなく、まさに今、パレスチナを支持すると言わなければならない」
【わかりやすい】
▼基礎から解説
NHK「パレスチナ問題がわかる イスラエルとパレスチナ 対立のわけ」
https://www.nhk.or.jp/minplus/0121/topic015.html
---「今回のハマスによる大規模な攻撃がイスラエル側に多くの死傷者を出し人質が取られていることは、決して許されるものではありません。一方で、イスラエルによる占領やガザ地区の封鎖が続いてきたことが、今回のような悲劇を招いたというのも事実です」
▼研究者によるQ&A式解説
東京新聞「ガザ危機 ハマス、イスラエルの即時停戦と人道支援を 中東研究者らが声明」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/287371
---「要は10月7日以降だけを見るのではなく、1967年の第三次中東戦争以来、イスラエルがヨルダン川西岸とガザを占領し続けてきたこと、「オスロ合意」の後もパレスチナ人に独立国家建設を許さず、特にガザ地区に対しては2007年以来、人々の暮らしを困窮させる封鎖政策を16年間にわたってとってきたことを想起すべきでしょう」
▼ 「抵抗権」にも触れている
高橋宗瑠「『パレスチナ紛争』を語る日本人に欠けている視点」
https://toyokeizai.net/articles/-/708775
---「『暴力はいけない』と考える日本人は少なくないのですが、植民地支配に対する抵抗は国際法で正当と認められており、パレスチナ民族の当然の権利といえます。もちろん、今回のハマスの攻撃は戦闘員でなく一般市民を狙ったもののようなので、国際法違反として批判されてしかるべきです。しかし、個人的に暴力を推奨するつもりはもちろんありませんが、話し合いだけで独立できるほど、世の中は甘くありません」
▼ 日本が果たすべき役割を提示
NHK「“憎しみの連鎖”を止めるには 元国連政務官が語る日本の役割」
https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/blog/bl/pzvl7wDPqn/bp/panbLjrWda/
---「『勝手に他国に侵略して領土を増やさない』とか、『国の形を変えようとしない』とか、そういう基本的なルールをいろんな国が守らなくなると世界中で戦争が始まります。それを守ることができるかどうか、いま瀬戸際にあると思います」
「日本がイスラエルとパレスチナの直接の仲介をするのは難しいと思います。しかし、これまで述べたような「構想」、そのビジョンを考えていく役割は果たすことができると考えています」
【やや難しい】
▼「4 シオニズム思想とディアスポラ主義」は特に読んでおきたい
早尾貴紀「現代の移民・難民の排斥と古代・中世のディアスポラ――『ヨーロッパ』と『中東』の分断はいつ起きたのか」
https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/1523
---「シオニズム思想は、きわめて近代的な発明品なのであり、むしろ歴史的・文化的な多様性(あるいは多様な歴史・文化)を否定した単一人種主義であるということになる。繰り返すがこれは、歴史観の違いなどで相対化できる思想ではなく、虚偽と断言していいレベルの神話であり、それは近代におけるヨーロッパ国民国家形成による副産物なのだ」
鶴見太郎「イスラエルが繁栄する陰で――リベラルな国際秩序の非リベラルな参加要件」
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/7555
---「『ネーション』は、『エスニック集団』と異なり、政治的にまとまり、自集団を自ら統治する能力を持つ集団であることが含意された概念である。そのことに関し、非ヨーロッパ人は偏見を持たれやすかった。パレスチナが「委任統治」となったのは、まさに、アラブ人に自己統治は『まだ早い』と国際連盟が判断したからである(『早さ』にも序列があり、アフリカ人はさらに未熟とされた)」
【番外編】
▼パレスチナの壁画について
高橋美香「閉ざされた世界、パレスチナに描かれた『抵抗の壁画』とバンクシー作品」
https://www.artagenda.jp/feature/news/20210722
---「バンクシーだけでなく、地元の「名もなきアーティスト」にも描かれてきた壁画。絵には過酷な現実をみつめなおし、それを風刺して、克服していく力がある」
▼ 2009年の村上春樹によるエルサレム賞受賞式典スピーチ(有志による和訳)
青山の昼と千駄木の夜 ~Indiana(インディアナ)暮らし編「【全文版】卵と壁 ~村上春樹氏 エルサレム賞受賞式典スピーチ」
https://ameblo.jp/fwic7889/entry-10210795708.html
---「『高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私は常に卵の側に立つ』
そう、壁がどんな正しかろうとも、その卵がどんな間違っていようとも、私の立ち位置は常に卵の側にあります」
阿部吉雄「戦前の日本における対ユダヤ人政策の転回点」
https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/5463/slc016p001.pdf
---「満州事変におけるハルビン占領により、日本は初めて1万人以上ものユダヤ人社会を自らの支配地域に抱え込むことになる。満州事変後の数年間、ユダヤ人は本稿で紹介したように現地の憲兵隊や察がその資産を合法または非合法な手段で取り上げる対象でしかなかった」